眼瞼下垂専門サイト。先天性、後天性の症状・原因の解説。診断(アルゴリズム)や手術の案内など。眼瞼下垂のコラムも掲載。
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■眼瞼下垂の想い出
小生は大学時代も不勉強のためか、眼科の講義で眼瞼下垂があるとの認識はあったような記憶があるが定かではない。
卒後研修医の頃に、初めて先天性眼瞼下垂(片側性)の小児例を間近に診たが、正確な診断は覚えておらず、おそらく単純性眼瞼下垂症例だったかと思う。全身麻酔下に上司の先生が眼瞼挙筋短縮術の手術をされて小生は助手でその手術を観させて頂いた。健側に比べて低矯正気味の手術をされたのだろうか、術後もやや眠そうな眼をしていたことを思うと、挙筋機能があまり良好ではなかったのではないかと思われる。術前より視野は拡大して弱視の危険性も無くなって、親子共々満足しているとその当時は単純に考えていた。しかし、今回顧してみると、症例によっては手術に限界があることや、本人も整容的には満足できない場合も少なからずある点などを理解するべきだったと反省している。
その後も文献などで知識を仕入れたり、諸先輩の手術を助手として間近に見ながら、数種類の眼瞼下垂症手術術式を習得していった。
小生が自分自身で眼瞼下垂症の手術を初めて行ったのは形成外科専門医になってからまだ日が浅い頃で、形成外科医としては比較的遅い時期に始めたのではないだろうか。
その症例はコンタクトレンズによる腱膜性眼瞼下垂症の成人患者であった。意識がある局所麻酔下での手術であるため、緊張しながら手術を開始したが、小生が終始無言で眼瞼挙筋腱膜と瞼板を剥離・露出していたところ、意外にも患者方から会話(この疾患のつらさや手術での改善の期待など)をして頂き、緊張が解けて手術も遅滞無く進み、適切な位置に腱膜を固定して無事手術を終了できた。結果も術中の患者方の協力の御蔭で良好であった。患者さんが悩む疾患のことはもちろんだが、それ以外のことも教えて頂く事は多い。これからも患者さんの言葉に対して真摯に耳を傾けていきたいと考えている。
最後に、形成外科で扱う唇裂口蓋裂の外科治療で高名な先生方がよく言われることであるが、同じ疾患でも患者各々の病態が微妙に異なっているので、その治療は一律ではないことである。眼瞼下垂症の治療もやはり同様であって、症例を重ねる毎にその意味の重さを実感している。
今後も、創意工夫を重ねながら、1症例毎により良い結果が出るよう切磋琢磨していきたいと考えている。

2005.10.21

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