眼瞼下垂専門サイト。先天性、後天性の症状・原因の解説。診断(アルゴリズム)や手術の案内など。眼瞼下垂のコラムも掲載。
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先天性
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手術
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品川シーサイド
皮膚・形成外科
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■先天性眼瞼下垂症

先天性眼瞼下垂症(現在のところ当院へ受診された先天性のものは単純性眼瞼下垂症以外ありません)でよく相談に来られる方には、開瞼にわずかな左右差があるものの、上眼瞼の瞼縁が瞳孔を覆っていない場合と、幼少時に眼瞼下垂症手術をされてその後大人になってからの左右眼瞼のアンバランスの場合です。

前者のようなケースは幼少時には目立たずに成長に伴ってようやく左右差が認められ、本人が気になる思春期以降に受診するケースが多いようです。眼瞼下垂症の定義を満たしておらず保険診療することが困難なので、自費診療で治療をすることになるか、あるいは症状が定義を満たすまで待機するかになります。ここで重要なことは、ごくわずかの左右差を手術で確実に矯正できるかどうかという点です。一度の手術で症状が消失し左右差も目立たなくなれば大変結構ですが、その手術で今一つ症状が改善されなかった場合、その後に瘢痕などができるため、その修正には大変苦労することが多いのも事実ですので、十分に手術説明を聞いて納得してから治療を受けるべきでしょう。

後者の場合は、既に手術がなされているので、修正術が時に困難なこともありますので、本人が希望される要望どおりの結果には至らない場合もあります。また、眼瞼の左右対称を求めるあまりに眼瞼下垂症を改善しすぎて完全な閉眼が出来なくなって眼球結角膜炎症状を併発することもあるので、多少の左右差を我慢しなければならないこともあります。特に重度の先天性眼瞼下垂症の方の初回手術にはその結果にも限界があるため、その後の修正術にはおのずと困難を強いられることが多いのが実情です。そのため、手術で改善を期待できないような要望には沿えない場合もあり、手術をお断りすることもありますのでご了承下さい。

閑話休題。

視野障害などの眼瞼下垂症状が全くないにもかかわらず、肩凝り・頭痛・眩暈・吐き気などの不定愁訴のみが一致するため、自分で眼瞼下垂症だと思い込んで来院する方も時々います。一見して眼瞼下垂がないことは明らかなのですが、なかなか納得されず、二重手術してもらえば改善すると言い張る方も時におられます。このような場合、不定愁訴の原因は眼瞼下垂症以外にも多数の疾患があるので、他科(内科、婦人科、耳鼻咽喉科、脳外科など)での精査をお勧めしています。

一方、眼瞼下垂症状は確かにあるのですが、その他にもホルネル症候群や多彩な神経学的症状などの付随症状があって、確定診断もされていないのに、視野障害の解消を期待して手術希望で来院される方もごく稀におられます。このような場合、やはり確定診断をされてから治療されるのが妥当であり、疾患によっては手術の必要性がないこともあります。診断が不明な状態で手術をしても、疾患そのもの自体で再び悪化することがあるので、確定診断されていない不明な疾患においては手術を行わず、然るべき医療機関に紹介して精査を依頼していますのでご了解下さい。

2006.07.04

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