眼瞼下垂専門サイト。先天性、後天性の症状・原因の解説。診断(アルゴリズム)や手術の案内など。眼瞼下垂のコラムも掲載。
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動眼神経麻痺
■動眼神経麻痺
動眼神経の主成分は動眼神経主核から出る体性運動性のもので、外側直筋および上斜筋以外の外眼筋を支配する。この他に副交感性の動眼神経副核(Edinger-Westphal核)から出る線維も含まれている。これら2核から出る線維は多数の根をつくって大脳脚内側溝から出て1神経幹となり、滑車神経、外転神経および眼神経と共に、蝶形骨体の両側にある海綿静脈洞の上壁に沿って進み、上眼窩裂を通って眼窩内に入り、上下の2枝に分かれる。上枝は上瞼拳筋および上直筋に、下枝は内側直筋、下直筋および下斜筋に分布する。また下枝からはきわめて短い動眼神経からの根が出て、毛様体神経節に入るが、これは動眼神経副核から出て、下枝を通って毛様体神経節に入る副交感神経線維である。
上記のように、動眼神経は外眼筋(上直筋、下直筋、内側直筋、下斜筋、眼瞼挙筋)と毛様体筋と瞳孔括約筋を支配しているので、麻痺が生じると、患側眼球は麻痺性外斜視、眼瞼下垂、瞳孔散大を認める。また、対光反射・調節反射の完全な消失となる。眼球運動は外転以外の眼球運動障害を呈する。通常、後天性発症であるが、稀に先天性にも認められる。片眼性が多いが両眼性もある。
動眼神経走行路を妨害する原因として、中脳背側脳梗塞・出血・腫瘍・膿瘍、Benedikt症候群、Weber症候群、動脈瘤、髄膜基底部の感染・新生物による浸潤・その他の炎症疾患(サルコイドーシスWegener肉芽腫など)、下垂体腫瘍、トルコ鞍内腫瘍、髄膜腫、転移性腫瘍、静脈洞症候群、Tolosa-Hunt症候群、眼窩内腫瘍・炎症・肉芽腫、外眼筋炎、偽眼窩腫瘍、甲状腺腫瘍、糖尿病などが挙げられるが、詳細な鑑別は本題とはかけ離れるため省略する。
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